景気動向指数:景気の方向性を示すDIと景気の勢いを示すCI
「先行指数」「一致指数」「遅行指数」
景気動向指数を定める選考指標は大きく分けて3つに分類されます。景気動向指数を定める指標は全て同じ期間で影響を及ぼすものではありません。景気に対して先んじて動くものを「先行指数」、景気とほぼ一致して動くものを「一致指数」、景気に対して遅れて動くものを「遅行指数」と定めています。
これら3つの指数をそれぞれDIとCIと呼ばれるものに表し、景気動向指数を算出していきます。
DIとは(ディフュージョン・インデックス)
DIとは景気の方向性を示すものです。簡単に言えば今の景気は上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか、を知る為に存在するものです。
DIは採用指標の各月の値を3ヶ月前の値と比較して算出します。これが各月の3ヶ月前の値よりも上回っていた場合に(+1)とされ、下回ると(0)と算出します。現行の内閣府のDI一致指数では11本の経済指標を採用している為、11点満点の中で何点取れたか、これが数値(%)として表れます。9点だった場合の景気動向指数は9/11(81.8%)となる形です。
このDIでは上昇傾向か下降傾向か、その方向を正しく知ることは出来ますが、景気の質量・テンポ(勢い)を知ることは出来ません。あくまで現在向いている方向を知る為に存在している為、DIとは異なる「CI」を併用することで詳しく景気を紐解くことが出来ます。
CIとは(コンポジット・インデックス)
CIとは景気の勢いを示すものです。DIでは景気動向指数を定めている11の経済指標を0か1かだけを判断していたものを1つずつ詳しく前月比と比べたもので、比較した数値(+、-)によって質量を表しています。前月よりも-3%だった場合は更に前月よりも景気が悪くなっているものと判断できるイメージです。
CIを見ることで上昇・下降具合を詳しく知ることが出来る為、次の傾向までの幅を予測することが可能です。しかし、CIだけ見ていては各月の変動が激しい場合もあり参考に出来ない場合もあります。その為、DIとCIを併用することにより安定した記録を景気動向指数として定めています。